夜のピクニック②
感想
貴子の感情がリアルに伝わって、心が締め付けられるように感じるときもあった。
個人的には、途中に貴子の友人2人が実は貴子と融の関係に気づいていたと打ち明けるシーンが好きだ。高校生特有の、重くなりすぎないようにする拙い気遣いがほほえましい。
また、ラストシーンで友人たちが協力して貴子と融が二人で話す機会を作るのも、友情の美しさを感じる。
余談だが、大学で出会った友人の母校が歩行祭のモデルとなった高校だという。
実際の歩行祭の様子も、小説と大まかには同じだそうである。
わたしはこのイベントが実際にあることにも驚いたし、身近にその学校出身の人がいることにも感動した。(思わず握手をした)
『夜のピクニック』はわたしの好きな小説の中で最も青春を感じる一作である。今後も大切に読み返していきたい。