ねむるだけ

主に読んだ本について。ほぼ全記事ネタバレを含みます。

2020-01-30から1日間の記事一覧

終末のフール

感想 舞台を同じくした、『終末のフール』と韻を踏んだタイトルの八つの短編から成っている。 緊急事態と平穏な毎日を書く(とわたしは思っている)伊坂幸太郎作品の中で、緊急事態の中の平穏な毎日を描いている珍しい作品。 個人的には『太陽のシール』が一…

終末のフール①

伊坂幸太郎『週末のフール』集英社(2009) 終末のフール (集英社文庫) 作者:伊坂 幸太郎 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2009/06/26 メディア: 文庫 あらすじ 八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパ…

サンリオピューロランド②

施設内について 施設内では「観る」「遊ぶ」「買う」「食べる」の4テーマで構成されています。(HPより) 「観る」ではショーやパレードを鑑賞することができません。 基本的には季節や期間限定のショーやパレードが多いです。 キャラクターの誕生日前後には…

サンリオピューロランド①

2月にサンリオピューロランドへ行くことになったので、それについて調べてみたいと思います。 まずサンリオピューロランドについて調べてみます。 サンリオピューロランドについて サンリオピューロランド(Sanrio Puroland) は、東京都多摩市にあるサンリ…

陽気なギャングの日常と襲撃②

感想 陽気なギャングシリーズ二作目。 やはり登場人物のキャラクターが素晴らしい。 四人でいるときにバランスがいいのかと思っていたが、それぞれで別の人と行動していても面白いのはやはりとびぬけた個性があるからだろう。 個人的におすすめの章は、やは…

陽気なギャングの日常と襲撃①

伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』祥伝社文庫(平成二十一年) 陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫) 作者:伊坂 幸太郎 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2009/08/30 メディア: 文庫 あらすじ 嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の…

魔王②

感想 巨大な勢力と、それに抗う特殊能力を持った一般人という少年漫画的な構図が面白い。 安藤の持つ能力自体は現実味がないが、安藤を取り巻く環境は現実味を十分に帯びている。 カリスマ性のある若い政治家に惹かれて軽いファシズム国家になるのは日本でも…

魔王①

伊坂幸太郎『魔王』講談社文庫(2008) 魔王 (講談社文庫) 作者:伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 あらすじ 会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気が…

死神の精度②

感想 映画化で有名になったこの作品『死神の精度』。 死神というちょっとファンタジー的な要素だが、これがとてもよくリアルの世界に溶け込んでいる。 死を共通のテーマにしているが、感動系もあればハラハラするような話もあり、六つの人生でさまざまなパタ…

死神の精度①

伊坂幸太郎『死神の精度』文春文庫(2008) 死神の精度 (文春文庫) 作者:伊坂 幸太郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2008/02/08 メディア: 文庫 あらすじ ①CDショップに入りびたり②苗字が町や市の名前であり③受け答えが微妙にずれていて④素手で他人に触ろ…

グラスホッパー②

感想 伊坂幸太郎の作品の中でわたしが初めて読んだのが、この『グラスホッパー』である。 あらすじにも書かれているように、『グラスホッパー』は爽快感というか疾走感が強い作品であると感じる。 しかしもちろんそれを支えているのはそれぞれの登場人物の個…

グラスホッパー①

伊坂幸太郎『グラスホッパー』角川文庫(平成十九年) グラスホッパー (角川文庫) 作者:伊坂 幸太郎 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2007/06/23 メディア: 文庫 あらすじ 「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を…

チルドレン②

感想 陣内のキャラクターが主人公気質で、好感が持てる。 また、陣内の周りの集まる人々のキャラクターが、陣内と対照的で、それがまたお互いの良さを引き出し合っている。 クレバーな幼馴染や盲目の友人が登場して、もちろん陣内に振り回されるのだが、それ…

チルドレン①

伊坂幸太郎『チルドレン』講談社文庫(2007) チルドレン (講談社文庫) 作者:伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 感想 「俺たちは奇跡を起こすんだ」 独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜ…

重力ピエロ②

感想 書き出しの「春が二階から落ちてきた。」という一文が強烈なインパクトを与える一冊、『重力ピエロ』。 この作品は『オーデュボンの祈り』や『ラッシュライフ』のように、ラストシーンで大きな伏線回収、どんでん返しというよりは、小出しで伏線を拾っ…

重力ピエロ①

伊坂幸太郎『重力ピエロ』新潮文庫(平成十八年) 重力ピエロ (新潮文庫) 作者:伊坂 幸太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/06/28 メディア: 文庫 あらすじ 兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、辛い出来事があった。その記憶を抱…

ラッシュライフ②

感想 ①の投稿にも書いたように、わたしは伊坂幸太郎の作品のなかで『ラッシュライフ』が最も好きだ。 わたしは伊坂幸太郎作品の好きな、そして憧れているポイントとしてさりげない伏線の張り方と、その回収の美しさがある。 伊坂幸太郎のデビュー作『オーデ…

ラッシュライフ①

伊坂幸太郎『ラッシュライフ』新潮文庫(平成十七年) ラッシュライフ (新潮文庫) 作者:伊坂 幸太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/04/24 メディア: 文庫 あらすじ 泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カ…