ねむるだけ

主に読んだ本について。ほぼ全記事ネタバレを含みます。

チルドレン②

感想

陣内のキャラクターが主人公気質で、好感が持てる。

また、陣内の周りの集まる人々のキャラクターが、陣内と対照的で、それがまたお互いの良さを引き出し合っている。

クレバーな幼馴染や盲目の友人が登場して、もちろん陣内に振り回されるのだが、それにもお互いの人柄が濃く表れている。

個人的にとても好きなのは、家庭裁判にかけられた心を開いてくれない少年に、家裁調査官が渡した『侏儒の言葉』である。

ただの太宰治が書いた『侏儒の言葉』ではなく、陣内が公衆トイレで見つけた落書きが書き込んであるのだ。

そのうちの一つに『女子トイレは迷路になってんのかよ! 時間が止まってんのかよ!』という言葉があり、とてつもない共感を覚えて思わず笑った。

本当に女子トイレの列って異常ですよね。あそこだけ異空間としか思えない。

『チルドレン』には続編の『サブマリン』という作品がありますが自分はまだ読んでいないので、これもまた読んでみたいです。

興味のある方はぜひ。