ねむるだけ

主に読んだ本について。ほぼ全記事ネタバレを含みます。

グラスホッパー②

感想

伊坂幸太郎の作品の中でわたしが初めて読んだのが、この『グラスホッパー』である。

 

あらすじにも書かれているように、『グラスホッパー』は爽快感というか疾走感が強い作品であると感じる。

しかしもちろんそれを支えているのはそれぞれの登場人物の個性であり、ひとりひとり被りがない。

また、登場人物同士の会話もテンポがよく、機知に富んでいる。

 

個人的に好きなのは、鯨と蝉が出会うシーンだ。やり口は別だとしても、第一線を行く殺し屋の二人が交わる瞬間はやはり興奮する。

殺し屋という物騒なテーマを用いているため、他の作品より若干じめっと暗い印象も受ける。しかしキャラクター性や、駆け抜けるように進む物語が面白いので、興味がある方はぜひ。