ねむるだけ

主に読んだ本について。ほぼ全記事ネタバレを含みます。

SCHOOLGIRL COMPLEX

『SCHOOLGIRL COMPLEX』青山祐企 イースト・プレス 2010年

 

スクールガール・コンプレックス SCHOOLGIRL COMPLEX

スクールガール・コンプレックス SCHOOLGIRL COMPLEX

 

 

青山裕企さんの出す写真集である。『スクールガール・コンプレックス』はシリーズ化しており、これを基として映画化もされた。

青山裕企さんは日本の写真家である。

主な経歴としては、愛知県名古屋市出身。筑波大学第二学群人間学類心理学専攻、東京写真学園プロカメラマンコース本科卒業。2005年、自らの事務所「ユカイハンズ」を立ち上げる。2007年、キヤノン第16回写真新世紀にて優秀賞。2009年、東京ビューティーアート専門学校の講師を務める。
サラリーマンや女子高生といった、“日本社会における記号的な存在”をモチーフにしながら、自身の思春期観や父親像を反映した作品を発表している。
主な作品シリーズに、ジャンプして飛んでいるように見える瞬間の人物を撮影した『空跳人』『ソラリーマン』や、制服姿の少女をフェティッシュに撮影した『スクールガール・コンプレックス』『絶対領域』など。広告写真、アイドル写真などの撮影も多い。『スクールガール・コンプレックス』は小沼雄一監督により、2013年に映画化されている。写真家としてだけでなく、映像作家としても活躍しており、さよならポニーテールのミュージック・ビデオを手掛けている他、2014年の映画『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』で映画監督としてもデビューしている。

とのことである。(Wikipediaより)

 

『スクールガール・コンプレックス』は、顔の写っていない女子高校生の写真だけで作られている。衣装は、制服や体操着、スクール水着などの、一般的な女子高校生が学校で着る衣服である。ポーズは、靴下を脱いだり上履きをはいたりする日常的なものから、スカートを軽く持ち上げたりすりガラスに体を押し当てる挑発的なものまでさまざまだ。

『スクールガール・コンプレックス』の特徴は、なんといっても絶妙なドキドキ感である。どの写真にも、下着や肌の明らかな露出や、「狙って取ったでしょ」的なポーズは見られない。それなのに、ドキドキしてしまうのだ。やわらかくて、きわどくて、無垢で、でもちょっぴりあざとい。みんなの憧れる「女子高生」を凝縮している。

わたし自身、女子高生として制服を着ていた時期があったはずだが、ここまで輝いていただろうか。答えはNOである。だからこそこの写真集を見たときに「うわー!きわどいー!かわいいー!」となるのと同時に、「えー!こんなにキラキラできる時期をボーっと過ごしちゃった!くやしー!」とも感じるのだ。たいていの女子大学生ならこの気持ちが共感できるはずである。正直、もう制服を着れない大学一年生がこの写真集を見ていると、別の意味で胸が苦しくなる。

そうは言ってもわたしはこの写真集がものすごく好きだし、載っている女の子はみんなかわいい。一枚残らず天使のようである。

やはり「女子高校生」という響きや表紙から、多少のためらいを感じる人もいるかもしれない。しかしそこで勇気を持ってこの本に手を伸ばしてほしい。世間のイメージに左右されない、女の子だけが持つ美しさが、そこにはあるのだから。